柏の葉地区で自動配送ロボット向け運行管理システムによる実証実験を実施

国立研究開発法人産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャ研究センター（以下、産総研）は、2023年2月～3月にかけ、「柏の葉キャンパス駅」周辺および「アクアテラス」周辺エリアにて、独自の運行管理システム(AIST Fleet Management System:　以下AIST FMS)による自動配送ロボットの走行実験を行いました。


実験では、産総研が開発する「hacobie（ハコビー）」、およびZMP社の「DeliRo（デリロ， https://www.zmp.co.jp/products/lrb/talent/deliro）」の２種類の配送ロボットの自動走行を行いました（図１）。AIST FMSでは、複数種類（産総研製、ZMP社製）・複数台（各社製の2台）の配送ロボットの現在位置、速度、電池残量、配送荷物用扉の開閉状態、配送ロボットが走行中か停止中か等を表す車両ステータス、および指示された配送タスク等を、クラウド上で統合的に運行管理ができる機能を実装しています。本実証実験においては、AIST FMSの基本的な動作が実現できていることが確認できました。

図１ 実験に用いた複数種類・複数台の配送ロボット

図２ AIST FMSによる運行管理確認画面

図３ AIST FMSでの各配送ロボットへの配送指示画面

AIS FMSでは、図２に示すように、画面の左側にある地図上で走行中の４台の配送ロボットの現在の位置を確認することができ、右側において各配送ロボットの状態を確認することができます。また、図３の指示画面により、配送物の積込場所、配送先、配送時刻等を、任意の配送ロボットに対して設定することで、配送ロボットが自動的に移動する仕組みを構築しています。本実験では、柏の葉地区でのサービスを想定した走行ルートにおいて、各配送ロボットの安全走行の確認とともに、AIST FMSを用いた複数の配送ロボットの運行状態管理の基本動作を確認することができました。



今後は、AIST FMSを拡張し、

  1. 柏の葉地区の住民の皆様に利用していただける、配送ロボットによるサービスの実用化
  2. 3種類以上の配送ロボットの運行管理や、一人乗り・警備ロボットをはじめ配送機能以外の自律移動ロボットへの対応
  3. 住民の皆様が利用する各種移動サービスと連携したモビリティサービスプラットフォームの実現

等の課題へ取り組んでいきたいと考えております。

実験概要

実験期間 2023年2月24日（金）～2023年3月31日（金）
実験概要 自動配送ロボットの走行実験（保安員の追従による安全確保策あり）と運行管理システム（AIST FMS）の基本動作の確認
場所 柏の葉キャンパス駅周辺、および、アクアテラス周辺

関連リンク

「柏の葉で、自動配送ロボットの実証実験開始」